2015/1/16
オ・ソンミ (福岡県)
ヨロブン、アンニョンハセヨ。
みなさん、こんにちは。
セヘ ボク マニ バドゥセヨ。
明けましておめでとうございます。
私は、福岡県の国際交流員のオ・ソンミと申します。韓国のソウル出身で、福岡県庁の国際交流員としては4年目です。この度は前回の「韓国の秋」に続き、「韓国の冬」について皆様にご紹介させていただきます。
さて、いきなりですが、皆さんは冬になると食べたくなるものはありませんか。もちろん、人それぞれだと思いますが、韓国ではどのような食べ物が人気があるのか気になりますよね。韓国の冬を代表する食べ物について簡単ではありますが、ご説明させていただきます。
トックク
韓国では旧正月の元旦を「ソルナル」と言い、新しい年を迎えるソルナルにトックク(韓国式雑煮)を食べる習慣があります。「トック」は「餅」という意味で、「ク」は「スープ」という意味です。これは薄く切った餅を牛肉やネギなどを加えたスープに入れて煮込んだもので、ソルナルには欠かせない料理です。そして、このトッククを元旦に食べることには重要な意味があります。韓国ではトッククを食べることにより1歳年を取ると言われているんです。新年には「トックク食べた?」と挨拶代わりに聞いた後、会話が始まることも多いです。食べると歳を取るということで、一日も早く大人になりたい子供は一気に2杯を食べる子もいますが、大人になると何故か食べたがらなくなる人もいます(笑)
寒い冬になると街角でよく見かけるのが、練炭で焼く焼き栗と焼き芋屋さんです。さて、皆さんはホクホクに焼いたさつまいもを何と一緒に食べますか?韓国では、よく熟成された赤い「あれ」と一緒に食べる人が多いです。それは、キムチです!味が合わないと思うかも知れませんが、熱くて甘い焼き芋と冷蔵庫から出した冷たく辛くて酸っぱいキムチは最高の組み合わせなんです。特に昔から食べていた年配の方にこの組み合わせは人気があり、若者の中では好き嫌いが別れています。ただし、一度はまってしまうと、焼き芋の食べすぎには要注意です!今すぐその気になるお味を試しても良いですが、日本で販売されているキムチは酸味が足りず味が少し違うため、お勧めできないのが残念です。
街角で売っている焼き栗 |
焼き芋とキムチ |
日本では季節とは関係なく一年中、人気のあるたい焼きですが、韓国でもそれと似たようなものがあり、冬になるとよく食べられています。実際に日本のたい焼きに影響され作られたこの食べ物はなぜか韓国では「フナパン(フナ焼)」と呼ばれています。もちろん、見た目はフナに似ています。中身はたい焼きと同じようにあんこが基本ですが、ピザ、シュークリーム、キムチ餃子(!)など最近はバリエーションも豊富となりました。そして、フナ焼の進化系として「鯉パン」があり、中には「黄金鯉パン」という高級感漂うネイミングも登場しました。味は一緒だと思いますけどね。
フナパン(フナ焼) |
フナパン(フナ焼) |
「寒い風が冷たく、頬に触れれば、暖かい☆☆ホパン、とても恋しいよ♬」
ある商品のCMソングだったこの歌が人気を集め、歌詞どおり冬に食べる食べ物として認識されました。1970年代に発売されて以来、ずっと人気を誇るホパン。ホパンは実はチンパン(蒸しパン)ですが、商品名が広く知られて、今は固有名詞になっています。ホパンと名づけられた理由は「熱いホパンをホ~ホ~と吹いて冷ましながら食べる」「家族がホホと笑いながら楽しく食べる」からだそうです。
昔は近所のスーパーやコンビニなどで蒸してあるホパンを1個、2個買って食べましたが、最近は大型スーパーで5~6個入りの包装されている商品を買って、家で電子レンジなどを使って、暖めて食べます。その中身ですが、伝統のあんこ入りと野菜入りが不動の人気であり、その後をピザホパンが追いかけている状況です。ちなみに日本のキャラクターであるアンパンマンは韓国では「ホパンメン」と呼ばれています。
スーパーで陳列されているホパン |
蒸したてのホパン 左:あんこ入り 右:野菜入り |
以上、簡単ではございますが、韓国の冬の食べ物についてご紹介させて頂きました。いかがですか?これは食べてみたいと思われたものはありましたか?日本の食べ物と似ているものも多いですよね。但し、味は違いますので、是非、「冬の韓国」に行ってご自分で確かめてください。今回のもの以外にも色々あるので、探してみるのも楽しいと思います。