2016/2/22
ぺ・サンヒョン(長崎県)
ヨロブン、アンニョンハセヨ。
皆さん、こんにちは。
長崎県国際交流員のペ・サンヒョンです。皆さんお元気でいらっしゃいましたか。
新年のご挨拶が少々遅くなりますが、
セヘ ボッ マニ バドゥセヨ。(明けましておめでとうございます)
まだ「2016年」という数字に見慣れてないのに、いつの間にか1か月が経ちました。
年始に立てた新年の計画が三日坊主にならないよう頑張っているところですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
しばらくすると韓国では、韓国最大の伝統行事である「ソルナル(旧正月)」が始まります。それで今回は、この「ソルナル」のことを皆さんにご紹介させていただきたいと思います。
ソルナルとは、韓国語で旧正月のことを意味します。(ソル:新年の初日、ナル:日)
韓国では日本と違って元旦ではなく、旧暦の正月をお祝いする習慣がありますが、概ね1月末頃から2月中旬ごろの時期になります。祝日は旧暦の正月と前後2日を合わせた3日間で、日本の年末年始に比べると少し短いですね。
ちなみに2016年の旧正月は2月8日で、祝日は2月7日から10日までです。(10日は振替休日です)
親族がみんな集まって団欒のひとときを過ごすのは日本と同じですが、韓国だけの独特な様子も見かけます。ご先祖様を供養する儀礼である「チャレ(茶礼)」、両親と家族と親族の目上の人に新年の挨拶をする「セベ(歳拝)」などを挙げられます。
写真:チャレ(左)とセベ(右)「出典:韓国国立博物館 民族現場調査から引用」
特に、幼い頃の私はセベの後にもらえる「セベットン(お年玉)」が一番好きでした。(笑) 子供の立場で考えてみると、親族がたくさん集まるソルナルは、一攫千金(?)を狙えるこれ以上ない良いチャンスですね。
写真:ポクチュモニ(福袋)
「セベ」についてもっと詳しい話をしますと、若年者のお辞儀が終わったら、年長者は「セベットン(お年玉)」を「ポクチュモニ(福袋)」に入れてあげます。元々は、災いを防ぎ、一年が健康であることを祈る意味として、小豆などの穀物を福袋に入れて渡したのがその由来だそうです。
昔は、上記の行事を韓国の伝統衣装である「ハンボク(韓服)」を着て執り行うのが普通だったのですが、今はハンボクを持っている人も少なくなり、ソルナルになってもあまり着なくなりました。
親族が久しぶりに集まった大切な瞬間に美味しい食べ物は欠かせないものですね!その中でソルナルの代表的な食べ物としては「トックッ」が挙げられます。
写真:トックッ
トックッは、雑煮のようなもので、うるち餅で作った「トッ(餅)」と野菜を牛肉、またはイリコの出汁で煮込んだ料理です。トックッの上には、卵焼きとノリなどを千切りしたものを薬味としてかけて食べます。
朝早く起きて皆で食べるトックッは、普段よりも一段と美味しく感じますね。韓国では、満年齢でなく、数え年で年齢を数えますが、ソルナルの朝にトックッを食べることによって一つ歳を取ることになります。
幼い頃、早くお兄ちゃんになりたかった私は、何杯もトックッをお代わりしてもらったものの、年は増えずに体重だけが増えたという悲しいエピソードがペ家には伝わっています…(悲)
補足ですが、このトックッに入る餅は、本来長い形の餅を切ったもので、韓国ではその長い形から長寿を祈る縁起の良いものとされています。そのためソルナルの朝には、皆と一緒にトックッを食べる習慣ができたとのことです。
今まで韓国のソルナルについてご説明させていただきましたが、いかがだったでしょうか。私もこのコラムを書いているうちに、昔のことを思い出したりして懐かしい感じになってしまいました。(笑)
今回のコラムは以上でございます。
そして最後に一言ご報告があります。
いよいよ今回のコラムが、私の最後のコラムになりました。
来る2016年4月をもって、任期満了により長崎県国際課を退職することとなります。
まだ任期終了までに時間は少し残ってはいますが、
本コラムを通じて皆さんにご挨拶申し上げるのは、これが最後になりそうです。
今までお読みいただき誠にありがとうございました!
皆さんが、お元気で幸せにいらっしゃることを心からお祈りします。
それでは、ト マンナヨ!(また会いましょう!)