2016/8/24
キム・タエ(佐賀県)
アンニョンハセヨ。佐賀県の国際交流員金多恵(キムタエ)です。
今回私が紹介するのは、冠婚葬祭のうち「婚」、結婚文化です。
韓国人にとって、結婚はもっとも大事な行事の一つです。依然として、韓国では結婚は「家族と家族の結びつき」という面が強いです。新郎新婦だけの問題ではなく、親の仕事の一つとして、結婚をさせようとします。
韓国の伝統的な結婚式を「婚礼」と言います。婚礼は、男女が伴侶を迎えて成人として新しい人生を出発する日であり、厳粛に行われます。婚礼式を簡単な順番で紹介すると、以下のとおりです。
出典:By Faraz (originally posted to Flickr as [1])
[CC BY 2.0], via Wikimedia Commons
出典:By Matt and Nayoung Wilson from Atlanta and surrounding, US (S1050482Uploaded by Caspian blue) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons |
By Rystheguy (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons*韓国では、おしどりでなく雁! 雁は雌雄が一度縁を結ぶと、 一生添い遂げると考えられている。 |
韓国の平均初婚年齢は男性32.1歳、女性29.4歳(日本は男性30.7歳、女性29歳)。適齢期になると周囲で結婚ラッシュが始まり、結婚式に出席する機会が増えるのは韓国も同じです。
最近は、結婚式場やホテルの宴会場、教会などを借りて行い、韓服ではなく、ウェデングドレスを着るのが一般的です。
新郎新婦は結婚式当日の早朝からあわただしく準備をします。結婚指輪や韓服、謝礼のための現金など当日の持ち物を確認して美容院へ行きます。美容院ではメイク、ヘアメイク、着替えなどをします。結婚式の時間が近づいて来たら、式場へ移動し、新婦は控え室でお客さんを迎え、記念撮影などを行います。控え室にはカメラマンがいて、結婚アルバム用の写真を撮ります。
式は友人の司会で進められ、恩師や有識者などによる「ジュレ(主礼)」から話を聞き、指輪を交換し、知人によるお祝いの余興を見て、正式な式が終わります。その後は、親族・友人たちとの記念撮影をして、ブーケトスをします。ブーケをとる人はあらかじめ新婦が選んだ人で、他の人より一歩前に出てもらいます。それには理由があり「ブーケをもらって6ヶ月以内に結婚できないと、その後6年間結婚ができない」という迷信があるからです。食事は同じ建物内、または近くにある食堂にて皆で食べます。
結婚式が終わった後は、家族だけで行うペベクがあります。
新郎新婦は、控え室で韓服を着て、その上からペベク用の服を着ます。そしてペベクをする部屋に行き、新郎の両親と机をはさんで向かい合わせに座ってお辞儀をします。次に、お酒をついで、両親からお祝いの言葉をもらった後に、白い布を広げて、そこへ栗とナツメを投げてもらいます。これには、「子供をたくさん授かりますように」という意味があります。その後、新婦の両親も同じことをしてもらいます。親戚からのご祝儀はこの時に受け取ります。次に、新郎と新婦がお酒を注ぎあって、夫婦の杯を交わします。そして、一つのナツメを二人でかじり合い、最後に、新郎が新婦をおんぶしてペベク室を一周します。(「これからは、僕があなたの面倒をみますよ」という意味です)
By halfGoku (http://flickr.com/photos/tswj/2518047107/)
[CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons
日本に来て一番びっくりしたことは、日本では従兄弟同士の結婚が法律的に可能だということでした。韓国では八親等以内の血族の間の婚姻は法律で禁じられています。ちなみに、かつて韓国の民法では「同姓同本不婚の原則」があり、本貫が同じ(父方の先祖が一緒で、名字が同じ)人同士は結婚が禁止されていました。しかし、2005年度の民法改定(2008年施行)により、本貫が一緒でも九親等以上であれば結婚できるようになりました。
結婚式になると、韓国の場合、日本よりいろいろと気楽です。
新郎新婦と知り合って間もない人や、新郎新婦の直接の知人ではない人がたくさん来たりします。
服装はカジュアルでも大丈夫です。よく見かけるのは、男性はシャツにジャケット、女性はワンピースやスカートスタイルです。
ご祝儀は平均5万ウォンくらいで、特別に親しい友人の場合は10万ウォンを渡すこともあります。
食事は、食券をもらって食事会場へ移動し、好きな場所に座って食べるバイキングスタイルが多いです。
式が終わると新郎新婦はそのまま新婚旅行に出発することが多く、基本的に二次会はありません。
つまり、韓国の結婚式は時間も短く、日本よりカジュアルなのです。パーティというよりも、新郎新婦を祝福するため親戚や友達が集まる場として捉えられています。
式のスタイルから歴史まで日本とはだいぶ違う韓国の結婚式に皆さんもぜひ参加してほしいです!