2023/08/16
ソン・ハンビッ(山口県)
皆さんこんにちは、山口県の国際交流員、ソン・ハンビッと申します。
今年もまいりました。国際交流員が書く日韓交流コラム、今年のテーマは「韓服」です。国際交流員が時代に沿って紹介します。まずは、私が日本の皆様にも馴染みのある、「朝鮮時代の韓服」を紹介します。
日本の方々はよく韓服の事を「チマチョゴリ」と言います。「チマ」はスカートのことで、「チョゴリ」は上着のことです。つまり、「チョゴリ」は、男性用・女性用両方のことを指しますが、「チマ」は女性のスカートのことですので、男性の韓服を指して、「チマチョゴリ」というのは間違えております。ちなみに、男性用のズボンは「パジ」といい、合わせて「パジチョゴリ」と呼びます。
韓国の人々は元々、下にズボンを着る北方系の服装をしていましたが、定住して農業を始めてからは、朝鮮半島の気候と文化に合わせて変化しました。同じ朝鮮時代のものでも、時代によって変わり、朝鮮後期である19世紀になって今の韓服と似ている形になりました。
朝鮮初期の韓服は、墓から出土されたものと、当時の絵画、また「朝鮮王朝実録」などの記録でその形を確認できます。この時期の韓服は、後代のものと比べてチマ(スカート)が短いのが特徴です。この時期のチマは、胸まで上げずに腰に掛ける形だったためです。このような特徴は13世紀のモンゴル(元)と中国(明)の影響を多く受けたためと言われております。
朝鮮中期では、よく韓国の時代劇ドラマで見られる長くて鮮やかな色のチマが公式的な場面で使われました。それとは別に、朝鮮初期の短いチマも、日常生活で多く使われたと言われます。
朝鮮後期になるとチマの長さによる使い分けはよりはっきりします。チョゴリの長さは短くなり、チマの長さは現代以上に長くなります。こちらは当時の女性たちに美として認識されていましたが、人によっては、実用性を重視して、足首が見えるくらいの短いチマを着ていました。こういう傾向は近現代まで続きます。
女性用のチョゴリは、伝統的に古代から長かったですが、前述の通り、時代の流れに沿って短くなりました。派手で大きいチマの流行りから、そのための帯、アクセサリーなどが一緒に発展し、今までも様々な綺麗な伝統装飾品が、韓国人にとって身近なものと残っております。
韓国著作権委員会, <부채춤>,
金昇恵,「A Study on the Korean Aesthetic Consciousness viewed from a change of Wearing Chima and Chogori」, 建國大學校, 1995
金南廷,「A Study on Ch’ima of Choson Dynasty」, 梨花女子大学校, 2000