2024/11/28
ホン・ジウォン(福岡県)
ヨロブン、アンニョンハセヨ。
皆さん、こんにちは。
今年の4月から福岡県の国際交流員として務めている洪智元(ホン・ジウォン)と申します。このコラムで皆様にご挨拶できることを大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いします。
今回のコラムでは、韓国で軍人の都市として有名な「鷄龍(ケリョン)」を皆様にご紹介させていただきます。引っ越したことが多い私にとって、鷄龍は比較的長めに住んでいた地域です。それでは、一緒に見てみましょう!
鷄龍は忠淸南道にある市で、大田(テジョン)のとなりにあります。南北では韓国の真ん中、東西では西側に位置しています。人口は約4万7千人で、他の市に比べると非常に少ないです。韓国では原則的に人口が5万人を超えないと市になれないのですが、鷄龍は軍事的な要地として認められ、特別に市に昇格しました。名前に龍が入っているだけあって、マスコットキャラクターも龍です。
人口の約半分が軍人や軍の関係者ですが、その理由は韓国の陸軍本部、海軍本部、空軍本部が設置されているためです。全国の軍隊とは少し違ってお偉いさんの方が多く、主に軍の政策に関する業務を担当しています。
鷄龍では「地上軍フェスティバル」といって韓国最大規模の軍文化祭りが毎年10月上旬に開かれます。地上軍という名前からすぐおわかりになるでしょうが、陸軍が主催するイベントです。陸軍パレードや軍楽隊の公演が見られるだけでなく、戦闘装備の体験及び展示、射撃体験など普段できない特別な経験がたくさんできます。兵役中のアイドルや俳優も参加するので、毎年多くの人が訪れます。(残念ながら開催期間がちょうど学校のテスト期間なので、私は高校生になってから行けませんでした。)
韓国人が鷄龍と言われると思い出すのは、軍隊だけではありません。「鷄龍山(ケリョンサン)」という山もよく知られています。鷄龍山は国立公園に指定されており、高さ845mの「天凰峰(チョンファンボン)」が有名です。昔から山の一帯が縁起の良い土地だという認識が広まっており、鷄龍山を霊山と思って行き来するシャーマンが多いです。
約630年前には、李氏朝鮮を建国した李成桂(イ・ソンゲ)が鷄龍を新しい都にしようとしましたが、臣下から「鷄龍は朝鮮半島(北朝鮮を含む)の真ん中ではなく南に傾いている」と反対され、今のソウルが首都になりました。臣下の反対がなかったら、韓国の首都はソウルではなく鷄龍になったかもしれませんね。
韓国の小さな都市「鷄龍」を簡単にご紹介しましたが、いかがでしたか?観光地としてはあまり有名になっていない地域ではありますが、もし大田にお越しいただくことがありましたら、となりの鷄龍にもお寄りいただけたら嬉しいです。桜が満開になる頃や、先ほどご紹介しましたイベントが開催される秋がおすすめです。