21世紀を目前に控え、国際社会においては、あらゆる分野でボーダレス化、グローバル化が進展し相互依存関係が深まりつつある。地域は、国境という枠を越えた交流を積極的に推進すると共に、幅広い分野で相互の発展を目指して連携していくことが必要になっている。
このような国際社会の流れの中で、日韓海峡を挟んで古来から深い関係にある我々は、l992年8月韓国済州道で第1回日韓海峡沿岸県市道知事交流会議を開催した。以来、5回にわたる会議を通じて培われてきた自由な雰囲気と強固な信頼関係に基づき、第6回目の知事会議を日本国福岡県で開催した。
今回の会議は、「日韓海峡圏の協力による新時代の共同創造」を主題とし、また「交流・協力のさらなる拡大を目指して」を副題として、7県市道の主要課題や目指すべき方向について情報交換をするとともに、日韓両地域のこれまでの交流・協力の成果と今後の展望について終始活発な論議が展開され、有意義で建設的な意見の交換を行った。
共同交流事業に関しては、日韓両地域の相互理解と共通の利益につながるという認識のもと、それぞれの事業の評価及び成果について活発な論議を行うと共に新たな交流方策を模索し、次のような意見の一致を見た。
今回本知事会議の付帯事業として開催した「参加地域紹介展」では、広く住民を対象に、日韓両地域の概要や物産等の展示、共同交流事業の紹介等を行うことにより、日韓両地域の文化や本知事会議への理解に寄与することができた。
また、我々日韓海峡沿岸県市道が新時代に向けさらに発展するためには、両地域が一体となって共通の課題に取り組んでいくことが重要であるとの認識のもと、これまでの知事会議に対する総合的な評価とともに一巡記念事業を推進することとし、社会情勢等の変化を踏まえながら、二巡目に向けた日韓知事会議の推進方策について検討を進めることとした。
以上、我々は、複数の地域が連帯して国際交流・協力に取り組むという他に例を見ない本知事会議が、年々活発化し、充実化していることを誇りに思うとともに、7県市道が共に発展する新時代を創造していくために、一層の努力をすることを確認した。
次期知事交流会議は来年度、韓国全羅南道で開催することとした。
1997年9月4日
福岡県知事 | 麻生 渡 |
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佐賀県知事 | 井本 勇 |
長崎県知事 | 高田 勇 |
釜山広域副市長 | 呉 世 |
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全羅南道副知事 | 許 京萬 |
慶尚南道副知事 | 金 珪 |
済州特別自治道知事 | 慎 久範 |