本事業は、第1回知事交流会議(1992年)での合意に基づき、1993年度から推進しているもので、日韓両地域が一体となって連携協力し、これまで環境技術交流会議の開催、酸性雨共同調査研究、河川水質生物検定共同調査、環境技術職員の交流などに取り組み、広域的かつ多様な環境保全技術、公害防止等に関する共同事業を展開しています。
※問合せ先 長崎県県民生活環境部県民生活環境課(TEL:095-895-2354)
日韓8県市道の先進的・有効的な環境分野の取組事例を8県市道間で共有するとともに相互理解のより一層の促進を図るため、2021年から各県市道の行政・研究機関が環境に関する政策や研究の取組事例を紹介する発表会を実施しています。
※2020年は、新型コロナウイルスの影響により中止しました。
地下水は、水循環を構成する重要な要素であり、飲用水や農業用水等として利用されるだけでなく、地域によっては重要な観光資源となるなど、人々の生活環境に密接にかかわっています。健全な水環境を確保する上で、地下水の保全と適正な利用は、重要な課題であり、地下水の状況把握は不可欠となることから、日韓8県市道の地下水について地域別に水質特徴や利用形態等の調査及び比較を行いました。
有害大気汚染物質は、低濃度であっても長期的な曝露により健康影響が生じるおそれのある物質で、このうちベンゼンなど揮発性有機化合物は、微小粒子状物質(PM2.5)等を生成する働きがあり、その発生源や環境実態の把握は急務となっています。
このことから、日韓海峡沿岸地域の有害大気汚染物質対策を推進する基礎資料とするため、日韓が共同で揮発性有機化合物の実態調査を行ないました。
日本では、西日本を中心にPM2.5の環境基準を超過する地域が多く、また、韓国においても、2015年1月に環境基準が設定されており、両国において関心が高い問題です。
当協議会では、2012~2013年に「微小粒子状物質(PM2.5)に関する広域分布特性調査」を実施しました。2014~2015年は、先の調査で得られた解析結果や考察を踏まえ、PM2.5の高濃度時期の特徴や発生源の実態を把握し、課題解決の基礎資料とすることを目的に、高濃度になる時期(1月~5月)に集中して調査を行いました。
微小粒子状物質(PM2.5)とは、大気中に浮遊する粒子のうち、粒子の大きさが2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の粒子です。粒子の大きさが非常に小さいため、肺の奥深くまで入り込みやすく、呼吸器系疾患のリスクの上昇や循環器系へ影響、肺がんリスクの上昇が懸念されています。日本では2009年に環境基準が設定され、韓国においても2015年に環境基準が設定される予定であり、両国においてPM2.5に関する関心が高まっています。
当協議会では、PM2.5の質量濃度、構成成分を日韓の海域を挟んだ両地域で測定・分析を行い、広域的な特性を調査しました。
日韓海峡沿岸両地域の住民の方々へ共同事業の周知と理解を図るとともに、環境課題解決に向けた行動促進を図ることを目的として、2010年度は長崎県、2011年度は済州特別自治道で環境シンポジウムを開催しました。
このシンポジウムには、日韓8県市道の行政・研究機関等が一堂に集い、地球温暖化や廃棄物などの環境分野に係る行政施策や調査・研究等についての発表や意見交換を行いました。
黄砂現象は、近年、その頻度と被害が甚大化しており、モンゴル、中国、韓国、日本等で、その影響等に対する関心が高まっています。黄砂は、植物や交通機関に影響を与える外、呼吸器疾患等の健康影響等の可能性が指摘されていますが、飛来した黄砂の実体については必ずしも解明されていません。このため、日韓海峡を挟んだ両地域において採取した黄砂の成分分析等行い、その物理的・化学的な性質の解明に努めるとともに、気象条件との関連、地形的要因を解析して、広域的な分布特性を把握し、今後の対策のための基礎資料を収集しました。
オキシダント(オゾン)は、日韓双方において全国的に濃度が上昇傾向にあり、九州各地でオキシダント注意報が発令されるなど、対策が緊急の課題となっています。このため、日韓海峡を挟んだ両地域において、気象条件との関連、地形的要因を解析し、広域的な分布特性を把握することにより、オキシダント(オゾン)濃度上昇の要因を解析し、今後の対策のための基礎資料を収集しました。
私たちを取りまく海は、漁業や海洋レクリエーションなど多くの恩恵をもたらしており、両国は、海峡を挟んで、お互いのパートナーシップにより共通課題等について理解するとともに、生活や文化などさまざまな分野で交流を深めてきました。
この海は、両国沿岸住民共通の貴重な財産であり、美しい「私たちの海」を次世代へと引き継いでいく必要があります。
そのため、「私たちの海」を守る意識の高揚と共通認識を深めるために、日韓海峡沿岸8県市道の自治体が連携して、6月5日の「世界環境デー」を中心とする概ね1か月間、「海の環境美化キャンペーン」を3年間実施いたしました。
河川や湖沼の閉鎖性水域の水質汚濁や富栄養化、酸性化等の問題については、河川等の流域における山林域からの汚濁物質の流出が原因の一つとされています。このため、地質・植生が異なる集水域において、地質・植生などの自然系の要因が河川水へ与える影響について、化学的酸素要求量、栄養塩類、各種イオン類等を調査し、今後の対策のための基礎資料を収集しました。この調査報告書は2006年12月に公表しましたので、調査結果については事務局にお問い合わせください。
交通量の増大等に伴う局地的な大気汚染により、視程障害現象が時々発生しています。その要因の解明のため、日韓共同で都市における視程障害に関与する要因としての気象や大気汚染物質などを調査し、今後の対策のための基礎資料を収集しました。この調査報告書は2005年4月に公表しましたので、調査結果については事務局にお問い合わせください。
近年、農業における過剰な窒素施肥により、硝酸性窒素による地下水汚染や湖沼の富栄養化が懸念されています。これを受け、環境保全に配慮した施肥対策を検討するため、日韓共同で集水域の窒素負荷量などを調査し、窒素流動の削減・制御を行う上の基礎資料を収集しました。この調査報告書は2003年1月に公表しましたので、調査結果については事務局にお問い合わせください。
国境を越えた共通性の高い河川水 質評価手法の確立を目的に、日韓共同で河川水質の生物学的評価による調査研究を実施し、2000年12月に報告書を公表しました。調査結果については事務局にお問い合わせください。
酸性雨が国境を越えた広域的な現象であることから、日韓双方で酸性雨の実態把握を目的に、韓国南岸及び九州北部地域で共同調査を実施し、1998年7月に報告書を公表しました。調査結果については事務局にお問い合わせください。