慶尚南道泗川市、巨済市、統営市、南海郡、全羅南道麗水市一帯の海上は美しい海上観光地として有名です。16世紀の文禄・慶長の役時、李舜臣将軍が豊臣秀吉の水軍を撃退したと伝えられる閑山島もこの一帯にあり、点々と続く島々の景観はとくに美しいものです。
新羅の慈藏律師が唐より仏舎利を持ち帰り、646年に建立したと伝えられる、韓国三大名寺のひとつで、現在まで1300年の間、法燈の灯火は消えたことがないといわれています。仏舎利を拝む寺なので、大雄殿には本尊仏はありませんが、彩り鮮やかな弘鼓、雲板、木魚、梵鐘が納められた梵鐘閣など見どころがたくさんあります。
韓国の漆器は、楽浪時代にさかのぼります。朝鮮時代の宣祖37年、統営に統制営が設置され、12工房の上下に漆房を置いた後、発展し、螺鈿漆器の美しい花をさかせました。統営で螺鈿漆器が発達することができたのは、官営工房の支援と、漆器製作に適当な気候と、港町があったので、高品質の貝殻の確保が可能で、運送にも有利な条件を備えていたため、世界的な名声を博することができました。 統営の螺鈿漆器は、南海岸のアワビ、サザエの貝殻を漆を塗った板の上にのせ、にかわで貼り付けて作ります。表現技法によって二種類があります。 ジュルンジル(重要無形文化財第10号)は螺鈿紋様を糸のこで切り抜く技法で、クンウムジル(重要無形文化財第54号)は、はさみで切り抜いたり、洋裁カッターで切って、絵を形成する技法です。 螺鈿漆器製品は箪笥、鏡台、三段箪笥、ベビー箪笥、婚礼箱、宝石箱などの家具と日常生活用品、装飾品など、さまざまです。