親環境農業交流事業
第2回実務者会議
2007年度(平成19年度)取組みの概要
(2007年(平成19年)7月18日~20日実施)
第2回目の実務者会議は、佐賀県で開催され、その会議の内容は、下記のとおりです。
日時 |
7月29日(木)午前中 |
場所 |
佐賀ワシントンホテルプラザ |
内容 |
(1)相互発表 (2)今後の進め方 (3)意見交換 |
出席者 |
日本側18名、韓国側10名 |
(1)相互発表について
①2007年度(平成19年度)発表テーマ
「有機物を活用した土づくりと化学肥料低減技術」の取組みについて、各県市道から取組み事例の発表を行いました。
②発表の概要
日本側からは、堆肥や麦わら等の活用による土づくりによる化学肥料の低減技術等について、発表を行いました。
また、韓国側からは、緑肥作物(ヘアリーベッチなど)のすき込みや米ぬか等の活用した土づくりによる化学肥料の低減等について、発表がありました。
③意見交換
- (ア)日本側からの質問
Q:緑肥作物をすき込んだ場合、窒素過剰で水稲が倒伏しないか。
- A:韓国では、水稲栽培での窒素量は、通常、9kg/10a程度だが、緑肥作物(ヘアリーベッチ)の生育が順調な場合にすき込むと、窒素量は、10〜20kg/10aとなり、窒素が過剰になることで、水稲が倒伏してしまうため、植え付けた緑肥作物の半分は、他の圃場へ持って行くこととしている。
- Q:有機栽培にタニシ農法(タニシ5kg程度/10a)を取り入れられているが、タニシが稲を食害することはないのか。
- A:深水にしておけば、タニシの食害の問題はない。ただし、前年度のタニシが越冬した場合は、水稲の食害の問題が発生するため、冬場でも気温が暖かい日本では、タニシ農法は、活用できないと考える。
- (イ)韓国側からの質問
Q:日本では、有機農法でタニシの活用はあるのか。
- A:福岡県の一部の地域で取り組まれているが、事例はほぼなく、除草は、合鴨や機械除草等で対応している場合が多い。
- (ウ)その他
- 韓国側から、米の裏作で栽培している麦はほぼ焼却処分しているため佐賀県で取り組まれている麦わらのすき込み技術を参考にしたいとの意見が寄せられた。また、韓国では、ブランド農産物そのものの、品質より地域(産地)で決まる傾向があるが、近年、品質が重視されるようになってきているとの報告があった。
(2)今後の進め方について
- 次回からの会議は、「親環境農業(環境保全型農業)に関する技術の実証と普及」のテーマ(例えば、来年度は病害虫防除対策など)で開催することとし、4年間(2006~2009年度(平成18~21年度))で一区切り(進め方やテーマを見直すなど)とすることで合意しました。
- 来年度は、韓国釜山市で開催されることとなり、幹事担当は、長崎県となりました。
(3)現地視察
佐賀県農業試験研究センター視察、佐賀県諸富町の水稲・大豆特別栽培圃場視察、福岡県農業総合試験場 等
佐賀県農業試験研究センター視察
日時 |
7月19日(木) 13:30~ |
場所 |
佐賀県川副町南里 |
内容 |
(1)わら・麦わらの有機物連用試験の取組み (2)水稲の直播試験の取組み (3)大豆栽培試験の取組み |
水稲・大豆特別栽培圃場視察
日時 |
7月19日(木) 15:00~ |
場所 |
佐賀県佐賀市諸富町 |
内容 |
JAさが諸富町統括支所 JA特栽米部会の取組み |
福岡県農業総合試験場視察
日時 |
7月20日(金) 10:00~ |
場所 |
福岡県筑紫野市 |
内容 |
環境保全型農業の推進における福岡県総合農業試験場の取組み |